金名の郷頭
近代土木遺産
神谷川の支流になる金名川の中流にあり、上流に向かい弧を描いて迫り出すアーチ式のダムになっています。
金名の郷頭は防災用の水量調整のためのダムとして構築され、江戸時代の中頃になる天保11年(1840)の豪雨で上流の池が決壊したときの大水をここでくいとめたとの伝承が残されています。
郷頭のある金名地区は急な勾配に集落が密集する地域となっており、地域防災を考えると極めて重要な構造物だったことが分かります。
1800年頃に整備されて以降、ダム上の道は常・金丸と府中を結ぶ生活道として使われ、郷頭の語源は、府中から金名地区に入る郷(里)の頭(入り口)といった意味だと伝えられています。
長さ8.7m、高さ7.8mの全体は花崗岩の石組で、強度の高い打ち込み接ぎの乱積みで積み上げられており、後にかさ上げされた上部の約1メートル部分のみが谷積みで組み上げられています。
川底部分は上流も下流も隙間なくビッシリと自然石が敷き詰められ川底の浸食対策がされています。
郷頭から少し離れた場所は、石の積み方も玉石積みになっており、郷頭部分の強度を高めるために敢えて打ち込み接ぎの積み方が用いられたことが分かります。
周辺は棚田と民家が入り組み心落ち着く田舎風景が広がっています。
郷頭下流の北側のり面は崩落防止のため竹が植えられており、その景観は郷頭の石組と流れ落ちる水の音と相まって、心落ち着く和の風情を醸し出しています。
郷頭へは金名集落からでは道も細く、車も駐車できるスペースがない為、県道金丸府中線まで行き、府中方面へ200m程度進んだところにある看板に従い駐車場まで進んでください。
駐車場からは、歩いてすぐになります。
地元自治会により休憩所やトイレなど、よく整備されていますが、売店や自動販売機などは近隣も含めてありませんので、水筒などを持参してください。
基本情報
所在地 |
〒729-3107 広島県福山市新市町常2466−1
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料金 | |
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駐車場 | あり |
備考 |